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【北斗の拳】妄想伝

1 :妄想野郎:2006/12/31(日) 05:09:56 ID:D5p4JWz9
映画だって漫画だってデータや調査に基づいていても結局は妄想だ
if対決、大いに結構
語られてないエピソード、お待ち申し上げております

荒しはトキのように流して、妄想はラオウの剛拳のように主張してくだちい

2 :天上天下唯我独尊丸@デンマーク:2006/12/31(日) 06:11:49 ID:???
        ゙、';|i,!  'i i"i,       、__人_从_人__/し、_人_入
         `、||i |i i l|,      、_)
          ',||i }i | ;,〃,,     _) 汚物は消毒だ〜っ!!
          .}.|||| | ! l-'~、ミ    `)
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ   '´⌒V^'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
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'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/

3 :マロン名無しさん:2007/01/01(月) 01:15:11 ID:???
誰も書かないお( ^ω^)
あけおめだお( ^ω^)

4 : 【大吉】 【1253円】 !omikuji:2007/01/01(月) 07:36:54 ID:???
あげましておとしだま

5 :南斗の拳:2007/01/01(月) 15:14:58 ID:???
「キング!」
駆け寄って来る部下たちを見て一瞬冷めた気持ちになる。
暴れるだけの残酷で低能な獣のような男たち。
だが、今は狂気の暴走を続けねばならない。
こんな宝石など、いくら積んでもユリアの心は変わらない。
だが人には必ず欲望がある。街を、国を、そうすればユリアも変わる、はずだ…

案の定、床に散らかる宝石類。
女なら自分を美しく飾りたいはずだ。わかっている、これらは血塗られた石。
そして俺の手も…
だがユリアよ、なぜお前はそんなに気高い。
ユリアはただ静かに座し、荒廃した世界をずっと見続けている。

「バケモノだと?」
「そうなんですよ、キング」
ルード、目と唇の周りを邪悪に染め上げた2mの大男。
「なんでも、その村ってのは食料も、まあ人材も、それに女も多いらしくて、
しかし、そのバケモノのお陰でその村は守られてるようでして」
「よし、わかった。準備しろ」
殺人とレイプが趣味なクソ野郎。だが俺はそのクソ野郎の王。
「わかりやした!ちなみにそのバケモノ、名前はかわいいんですよ」
「……」
「ハートだそうです」

6 :マロン名無しさん:2007/01/01(月) 20:31:44 ID:vwYNfh1W
面白くなりそいな

7 :南斗の拳2:2007/01/01(月) 23:09:51 ID:???
シンを乗せたバギーを先頭に二十台ほどが交通量のなくなった元国道を疾走する。
遠くに見えた人影は警告のため、先行させた部下だった。
青ざめ、モヒカンも乱れ、命からがら逃げて来たのがよくわかる。
逆にこちらに警告するため一人だけ逃がされたようだ。
「くぉのボケが〜!」
頭に血が上ったルードが鉄棍棒で殴り殺した。
「おめえら!皆殺しにしてやれや!キング、急ぎましょう」
全員が殺気立って叫び声を上げる
俺たちにはキングがいる、どんなバケモノっつっても、この人ほどじゃねえ。

真っ直ぐな道の向こう、街が見えて来た。

8 :南斗の拳3:2007/01/01(月) 23:36:18 ID:???
こんな人間がいるのか?
3mほどある肉の塊、全てが規格超過。
指の太さも大人の腕ぐらいある。1tはありそうだ。
本来こんな人間が動けるわけはない。いや、存在するはずもない。
だがシン自身も規格外の存在だ。それでもやはりこの男には驚かされた。
旧世界の生物兵器か?
不思議なことに、街の門は閉じられ、櫓から弓を構える兵たちがいるものの
このハート以外には誰もいない。
弓兵たちも、どことなく余裕の態度だ。
「あなたがキングですか?」
ニコニコとハートが話しかける。
「争いごとはよくありません。お帰りになって下さいませんか?」
こいつの笑顔、人を引きつける。

9 :南斗の拳4:2007/01/01(月) 23:50:54 ID:???
シンは一応、陣形をとらせた。こいつらの俺に頼りきりな態度が気に入らん。
ハートを中心に半円の陣形、部下たちは頭上の弓兵も気になって仕方ない。
「大した余裕だな」
「いやいや、あなたも私を前に大した余裕じゃないですか?」
そう言って笑うとハートの肉がぶよぶよと波打つ。
ルード「こんの豚ぁ!!キング!俺にやらしてください!」
トラックに積んであった長い棒は建設資材ではなかった。
直径10cmほどで長さも4mはある。
ルードも規格外の怪力、頭上で振り回すスピードは人間の枠を超えている。

10 :南斗の拳5:2007/01/02(火) 00:13:17 ID:???
あのバケモノ、ハートにもキレると憶しないルード。
「ひっ」
部下たちが思わず声を出すほどのスピードでルードの大棒がハートに直撃した。
頭部ではなく、あえて腹部を狙ったのはルードの好奇心だった。
「!?」
ただの脂肪ではない?柔らかくルードの攻撃を包み込む。
直後ハートは棒を掴むとルードをもはるかに超える怪力で引き寄せた。
一瞬放心していたルードはバランスを崩しながらハートの方に引き寄せられた。
ハートにとっては蚊を払うくらいの感覚。ハートの右手はルードを吹き飛ばした。
「私の身体はねぇ、キングくん、外部からの衝撃をなんでも吸収してしまうのですよ」
ぶよぶよと肉を波打たせながら笑うハート。こいつの笑顔、やはりいい。

11 :南斗の拳6:2007/01/02(火) 00:47:41 ID:???
「私のハートという名はですねぇ、キングくん、傷つけるという意味のハートなんですよ。
あなたの端正なお顔を傷つけたくないんですがね〜」
気に入った!こいつをキングに取り入れる。
「俺に仕えろ」
「は?何を言って…」
遮ったのはフラフラと立ち上がったルードだった。
モヒカンの槍を奪い取るとハートに投げ付けた。
「このクソブタが〜!!」
ハートの腹部は槍を飲み込むように掴み取る、同じように。
ハートはムン!と力を込めると槍が勢いよく飛び出し、モヒカンの頭上を掠めた。
だがハートの眉間にしわが寄っている。
「?、血…血ぃぃぃ!」
櫓の上の弓兵たちが「まずい」というような顔をしている。
ルード「てめえら!ぼおっとしてんじゃねえ!ぶち殺さんかい!」
モヒカンたちの誰も好んでこんなのと戦いたくない。
だがキングの前、そしてキレたルードは見境がない。
モヒたちは死を覚悟した。

12 :南斗の拳7:2007/01/02(火) 01:07:02 ID:???
象が暴れてるかのようだ。温厚とも言えたハートの目は
今や狂気の殺人者のもの。
ルードでさえ、呆然と立ち尽くすだけ。
門の外にハート以外の敵兵がいない理由がわかった。
シンに向かって行く、死をまき散らす肉の塊だったが、息切れして走るのをやめてしまった。
だが殺人の決意はわずかも薄れていない。
「いてぇよ〜!」
いい!ますます気に入った。
「俺に仕えろ!ハート!」
「いてぇよ〜!!」
押し潰そうと迫るハート!
シンは一瞬この奇怪な肉に飛び込んでみたくなったが…
シンはただ、その迫る肉の壁に触れるかのように手をのばしただけだった。

13 :南斗の拳8:2007/01/02(火) 01:35:44 ID:???
ハートは膝まづいて血と脂が流れる腹を押さえていた。
吸収もなにもない!こいつの手が肉そのものを突き破ってきた。
「ハート、俺に仕えろ」
断れるはずもない。
戦闘の全てをハートにまかせていたであろう敵兵たちに矢を放つ勇気はない。
既にこの街は落ちた。「その特異体質と破壊力、人を魅了するキャラクター、
そして自分の血を見るや温厚な仮面が外れ狂乱の殺戮兵器に変わる…
ハート、お前は殺すにはあまりに惜しい」
なんとこのハート、痛みと恐怖にひきつりながらも照れた笑いを浮かべている。
「俺がキング、ユリアはクイーン、さらにハート、
(そしてジャック…あるいは俺にとってジョーカーとなるか?)
ハート!お前はこれからハート型のハートだ!」
「?」
ルードは相変わらず立ち尽くしていた。キング!やっぱりこいつはすげえ!
「ルード!」
「は、はい!」
「お前は今日から…ダイヤを名乗れ」


14 :マロン名無しさん:2007/01/03(水) 02:16:20 ID:???
泣いた

15 :南斗の拳 壱:2007/01/03(水) 04:15:27 ID:???
「そうか…わかった…」
「いかがなさいますか?」
「サウザーには私から伝えよう」

約二時間を経てようやく揃った面々。
外は激しい雷と汚染された雨。
円卓ではあるがサウザーの背後の壁には十字型の南斗の紋章。
全部で十二の席、だが全員が揃っても十一人。
六聖の最後の椅子はいつも空席。しかし今回はもう一つの空席がある。
今や完全に力の時代、重鎮たちの発言力は完全に失われたと言っていい。
緊急召集の理由は時間が経過したため既に皆が知るところ。

16 :南斗の拳 弐:2007/01/03(水) 04:30:56 ID:???
緊迫した状況だがサウザーはいつもの座りポーズ。
誰が何を言い出すかを余裕で一歩遠くから、いや、一段上から見ているような様子。
「ユダが…離脱した」
皆が既に知っている。この発言は会合開始の合図にすぎない。
核も使用された世界戦争と同時に人類を襲った全地球規模の天変地異…
こんな時代、世界…
だからこそ南斗は一致協力して乱世を治めなければならない。

17 :南斗の拳 参:2007/01/03(水) 04:52:07 ID:???
ユダ離反から、さらに十日ほど経った。
シンも黙って姿を消した。
あの会合、発言力を失ったとは言え重鎮たちも私の意見に同意してくれた。
特に老齢ながら、まさに命を賭すが如く、南斗の団結を主張した、
ダイセン卿、ゴコウ卿は両名、行方不明…
なぜかは考えたくない。しかしそうも行かない。
電気が通らなくなった暗い、長い廊下を進む。もっとも、彼にはまるで関係のない話。

(今一度サウザーに説得を試みよう)
目の見えない彼だが、研ぎ澄まされた感覚、そして生き物が発する"気"。
足を止めたシュウ。
「どうしたんだ?レイ」

18 :南斗の拳 四:2007/01/03(水) 05:09:47 ID:???
レイは怒りと苛立ちに満ちていた。なぜだ?
様子があきらかにおかしい。
「一体どうした?」
「シュウ、すまない。あなたに協力できそうもない」
怒りを無理に抑えながらレイは言った。
少しでも集中を切らせば爆発しそうな感情の高ぶりを感じる。
少しの間をおいてシュウは返した。
「…何があったんだ」
「村が…な、何者かに…」
「!!」
なぜ、この時機に!
「それでご両親は、アイリさんは?」
「ほ、ほぼ全滅…父と母も…だがアイリはさらわれたようだ」
怒りに震えるレイ。南斗水鳥拳を極め、六聖の一人になっても、まだ若い男なのだ。
まして自分の故郷が襲われては…

19 :南斗の拳 五:2007/01/03(水) 05:25:57 ID:???
隠れて生き残った家族がいたらしい。
野党どものリーダーには胸から胴にかけ北斗七星の形の傷があったという。
そして、その目は狂気と憎悪に満ちていたと。
「自分の目で確かめて来ようと思う。事実なら…」
事実であることはレイも認めていよう。生き残ったという家族が嘘をつく理由がない。
止めることができようか。しかしなぜ、この大切な時機に…
「すまぬ、シュウ」
なんと声をかければいい?言葉が出ない。
「わかった…」
搾り出した言葉、続く言葉はなかった。

20 :南斗の拳 六:2007/01/03(水) 05:53:15 ID:???
「ならばサウザー、私はあなたに協力することは出来ない!」


王の道ではなく覇の道を選んだサウザー。
ユダも謎の巨大組織、拳王軍と同盟関係にあると聞く。
レイの行方も知れず。
シンは北斗神拳伝承者ケンシロウを襲い、南斗の血を受け継ぐユリアを強奪。
ケンシロウは死んだのか?私が失った光をはるかに超える輝きを持った少年だった…
あれ以来会うことは
なかったが…
全てはこの時代と同様、崩壊へと向かうのか。
シュウは見えない目で荒野を"見"渡した。
いや、既に破滅していたのだ、何もかもが。だが…

「シュウ様!旅人の一団が野党どもに襲われそうです!」
「わかった、すぐ行く!」


21 :マロン名無しさん:2007/01/03(水) 11:21:47 ID:???
サウザーとシンの絡みもお願いします

22 :マロン名無しさん:2007/01/03(水) 16:31:39 ID:???
シン「サウザー、やらないか?」

サウザー「アー!!」

23 :南斗の拳 @:2007/01/04(木) 01:04:21 ID:???
左右に巨大な武神像が立ち並ぶ、広い錬武場の奥中央。
サウザーは一人、拳の修練に励んでいる。
南斗百八派の帝王であっても、同時に一人の拳士である。
拳技の追究に終わりはない。
だが、汗にまみれる姿を誰にも見せることはない。
南斗の帝王。鳳凰拳の演舞は続く。

24 :南斗の拳 A:2007/01/04(木) 01:45:11 ID:???
その錬武場の門が開いた。
シンであった。
二人の関係は特殊なものである。
それはまさに鳳凰拳と孤鷲拳の関係そのものである。
南斗最強の鳳凰拳と南斗源流の孤鷲拳。
南斗にも北斗同様に乱に満ちた歴史がある。
南斗宗家が鳳凰拳つまり将星を中心に成り立っていたのに対し、
シンの孤鷲拳とその下に属する少数の流派は孤立するもう一つの南斗宗家とも言うべきものだった。

25 :南斗の拳 B:2007/01/04(木) 02:05:51 ID:???
もしサウザーとやり合えば勝つのは難しい。
が、シンにサウザーを恐れる気配はない。

「何の用だ」
サウザーは自分に敬意も畏れも抱かないこの男をやや疎ましく思っている。
一方シンにとってサウザーは拳士として超えるべき高い壁。
「俺はシュウの意見に合意する気はない」
「それをわざわざ言いに来たのか?」
「アンタの覇行に協力する気もない」
「考え直せ。お前なら俺の右腕になれよう」
疎ましい奴ではあるが、このような男の実力は認める。
「シン、お前は燃える炎だ。その激しさは拳にも表れている。だがお前はその激しさを制御できぬ。
いずれは燃え尽き自滅するだけだ」
「…」

26 :南斗の拳 C:2007/01/04(木) 02:22:51 ID:???
サウザーは続ける。
「世は乱世、我ら南斗の力を存分に振るえるのだ。
俺はこれより聖帝を名乗り、力でこの乱世を征する!」
サウザーの力の源、誰よりも強い、歪んだ愛。
だが誰もそれを知ることはない。
「お前に覇望はあるまい。野党にでもなるか?」
シンは自分でもなぜサウザーに会いに来たかわからなかった。
「サウザー、いずれ俺はアンタを倒し南斗を支配する」
「お前の拳才は認めよう。だが無理だ。鷲では鳳凰を殺せぬ。
火ではフェニックスを焼けぬ」
「どうかな?試すか?」
「ほう」

27 :南斗の拳 D:2007/01/04(木) 02:41:37 ID:???
南斗と南斗の戦い。あらゆる闘技とも間合いは異なる。
スピード、破壊力、耐久力、全てが人間の域ではない。
向かい合う二人。
格上のサウザー相手だろうが燃え上がったシンが止まることはない。
構え無き構え、前身制圧の拳、サウザーは今にも襲いかかる勢い。
シンの両拳に込められた燃えるような殺気は全てを突き破る地獄の炎。

同時に間合いを詰めた!
サウザーの神速!だがシンの超反応!突きはサウザーの胸を貫いた!
はずだった。
交錯する二人。

28 :南斗の拳 E:2007/01/04(木) 02:59:30 ID:???
サウザーは無傷だった。
片やシンの両肩には浅い傷が付けられた。
血がシンの服、肩を黒く染める。
「サウザー、今日は引く。だが、俺はまた必ず貴様の前に現れる、必ず」
シンはサウザーに背を向けると颯爽と門に向かって歩き出した。
それは敗者の後ろ姿ではない。
元よりサウザーは本気ではなかった。
しかしシン、奴の拳才は孤鷲拳に収まるまい。
危険な男かも知れぬ。だがやはり、奴は自滅するだろう。
その自分自身の灼熱の炎で燃え尽きる。
帝王は、なるものではない。天により、それが与えられている者が受ける権能なのだ。

29 :南斗の拳 F:2007/01/04(木) 03:14:29 ID:???
ようやく脱力したとき、胸にかすかな痛みを感じた。
一条の流血。
「!……フッ、フハハハハ」
殺す気は無かったが奴に触れさす気も無かった。
「退屈はせぬな」
汗ばんだ身体にそのままマントをはおる。
南斗の紋章、極星南斗十字星を背負うは南斗の帝王の自負。
そして自が宿星、南斗六星の将星は最強の誇り。
再び笑うサウザー。
「フハハハハハ、……ローンイーグルか」


30 :21:2007/01/04(木) 03:58:37 ID:???
ありがとうございました。
シンもサウザーも好きなキャラなんで嬉しかっです

31 :マロン名無しさん:2007/01/04(木) 04:40:07 ID:???
>>30
文才もなく、思い付きで書いてるので、お見苦しい点は
広い心で受け止めて下さい。
漫画板のラオウ外伝スレで何人かの妄想人がいたので
このスレを立てたのですが(漫画板には新スレを立てられなかった)誰も書いてくれません。
ですからスレ立てた責任があるので、ま、チョコチョコ書いて行きます。
ちなみにラオウ外伝スレか蒼天スレでも妄想野郎という方がおりましたが
このスレ立ててからカブってたことに気が着きました。
別人です。本家さん、すいません。

あ、妄想したい方、ご自由に( ^ω^)

32 :マロン名無しさん:2007/01/04(木) 04:45:56 ID:gIG/aB1a
あ、そうだageよう。

33 :マロン名無しさん:2007/01/04(木) 17:33:31 ID:???
GJ!
リクしてもいいですか?
レイとマミヤの話が見たいです。ぜひぜひお願いします
(;´д`)

34 :マロン名無しさん:2007/01/04(木) 23:39:52 ID:???
>>33
リクありがとうございます。
しかしながらレイとマミヤの関係にいたっては原作で扱われたことが全てだと思いますし
特に最後の二人の会話ではレイが最高にすばらしく、変に汚したくないと思ってしまいまして。
ですが何とか考えてみます。妄想をやっていますが実はコミックス等を所持していないので、
原作をチェックして妄想の入り込むスキがあるかを探ってみます。
しかし、多分無理です。m(_ _)m

35 :33です:2007/01/05(金) 00:12:23 ID:???
レスありがとうございます。難しいリクしちゃってすみませんm(__)m
上の南斗のお話も非常に
楽しく読ませて頂きましたし、自分のリクで筆が滞ってしまっては御迷惑ですので、どうかお気になさらず
その他のお話も書いてくださいm(__)m
wktkしてお待ちしてます。

36 :マロン名無しさん:2007/01/05(金) 21:32:51 ID:???
レイとマミヤの関係に妄想の入り込むスキはありませんでした。

37 ::2007/01/06(土) 02:42:26 ID:???
数百年前 パラレル中国…
人里離れた山奥…
美しい自然…
季節は初夏…昨日降った雨が木の葉の汚れを洗い、山は黄緑に美しく栄える。
一年でもっとも綺麗な季節、シュイはそう思っている。
シュイ…もうじき四十を迎える。
束ねた長髪に白髪が目立ちはじめている。
南斗翔鷹拳の手練れ。
実力は高いが正統の継承者ではない。
南斗聖拳はあらゆる点で人間の限界を超える至高の武芸であると信じる。
南斗宗家に彼ほど実力がありながら謙虚な人物はいない。
そんな彼であるが翔鷹拳を身に着けるにあたり、あるいは宗家の命令によって、
自分の手を血に染めたことも少なくない。
外敵、裏切り者、スパイ、そして天帝の政敵…
至高の武芸と信じてはいても、南斗聖拳は殺人拳であり暗殺拳である。
この非情な闇の世界に、できるなら誰も巻き込みたくない。
彼は翔鷹拳を次代に伝えることを拒否した。
ゆえに彼は翔鷹拳の正統継承者ではなかった。

38 ::2007/01/06(土) 03:31:00 ID:???
もし息子がいるなら伝承者の第一候補に挙がる。
"私は拳にしか興味がないのです。子を持つなど…"
真の理由は語らず、彼は娶ることなかった。

昇鷹拳は南斗でも上位の流派である。
南斗は分派が多い。南斗百八派…実質的には総数不明。
他流派を征服吸収した結果でもある。
その多くは武具を用いる。
だが真に南斗聖拳と呼ばれるものは十に満たない。
それぞれに特徴や相違があるが、極意は共通で不変。
素手で全てを破壊する。
この奥義に達することができる拳才を持つ者は極めて稀である。
そのため六聖拳にさえ、伝承者不在の危機に直面することもある。
その辺の内情はシュイにさえ届かない。
南斗六聖拳とは言いながら実際には五流派。
常に不在の南斗六星最後の将。
隠されている点は少なくないのかも知れない。
だがシュイは分をわきまえている。
彼の興味は拳にしかない、この点は真実であった。

39 ::2007/01/06(土) 04:01:47 ID:???
彼の拳は精妙を極め、年を経るごとに無用なものが削られてゆく。
この時代では老年と言える彼であるが、拳に関しては自身最強を更新し続けている。
彼の武威は六聖にも並ぶ。でありながら人格者、
拳のことだけにとどまらず彼に相談を持ち掛ける者は多い。
そのためどうしても注目を浴びてしまうのだ。
だから彼が演舞にせよ、ひとに見せることはない。
誰もが認める拳技と品格だが、それゆえ妬みそねみの対象にもなるからだ。
若い頃は勝負を挑まれ、同門対決の末、相手を殺めたこともあった。
宗家公認の決闘のため問題が大きくなることはなかったが、今でも怨念を感じることがある。
刺すような視線、達人だからこそ敏感に感じ取ってしまう。
彼は繊細な男である。

軽い昼食を済ますと一人で山を下って行く。
人気のない静かな森を越え、広大な河を見渡せる緑の丘に到る。
"気"を練る特殊な呼吸、続いて演舞。
緩急のある無駄のない動きは、まさに美の一言に尽きる。
視線を感じるが彼の心が乱されることはない。

40 ::2007/01/06(土) 04:23:48 ID:???
視線の主、名はジェン。南斗の門下生でまだ15。
まだ15…だが15とは一つの流派の伝承者になれる年でもある。
拳才はあるが南斗の奥義に到らず、そして何より、
南斗の拳を身に着けるには純粋すぎた。
彼が継承する流派はもはや…ない。
そんなジェンだがシュイは彼を好んでいる。年が離れた友である。

心を奪われる。魅了される。
素早い時は見えないくらい。だが緩やかに動く時にこそ"凄さ"を見せる。
ユルリと動かす手、当然、指の間を空気が流れる。
ジェンは見ることの才がある。
指の間を流れる空気が斬れている。それが何となく感じ取れる。
確かに斬れているのだ。
同時に自然に溶け込んでいるかのよう。
近くの小動物や鳥が逃げないのだ。
強い拳士なら他にもいよう。
だが、こんなことができる人はいないのではないか。
ジェンは口が開いたままだった。

41 ::2007/01/06(土) 04:54:49 ID:???
演舞を終えた。
「帰るか、ジェン」
「は、はい!」
いつものことながら隠れていたジェンが恥ずかしそうに出て来た。
帰りの道、ジェンはよく話す。若さが溢れ、弾けるようだ。
同世代にはもう立派な暗殺者もいように。
流派を継承出来なかったことは、この若者には良かったのだろう。
たとえ一生、一衛士でも。
やや無口なシュイは主に聞き役だが、それはまるで嫌なことではなかった。
たまにシュイが返す言葉は含蓄がある。
友人であり良き師弟関係でもある。これが本当に拳においても師弟ならこうは行かない。
弟子を持つことを拒んだことを自分の弱さと受け止めているが、
このジェンのお陰で笑う機会がなくならずに保たれている。
人間に本当に必要なもの。彼は南斗の拳の達人ながらそれを実感する。
しかし、争いと暴虐が無くなることはない。
比較的平穏なこの時代も、いつどう動くか…こんな山に籠っていては、
いや、私などにわかるはずもない。


明くる日、シュイは宗家の遣いから訪問を受けた。
依頼が、実際には命令だが、あるという。
珍しいことだ。
シュイは山の頂にある寺院に向かった。

42 ::2007/01/08(月) 01:24:47 ID:???
珍しいことだ…
なぜなら彼への命令は5年間もなかったからだ。
彼ほどの拳士には異例なことだ。
だが彼への命令が失敗に終わったことはない。

(上は久しぶりだ)
山頂の寺院は"上"と呼ばれ、シュイの屋敷があるこの辺りは"下"と呼ばれる。
下の者が上に足を運ぶことは通常はない。

寺院の門衛が、シュイに気づき一礼し門を開く。
シュイも礼を返すと中へ足を踏み入れた。
斬るような緊張感がある。
下と違い、上では南斗の奥義を習練する。
目の届く範囲に人影はないがこの奥では
今まさに命を賭けた奥義修得が行われているのだろう。
若き日を思い出した。
濃い茶色の長い衣をまとう老いた宗家従者に案内され、奥へ奥へと進む。
翔鷹拳の正統継承者にならなかった彼は、この寺院最奥にまで来ることはなかった。
「こちらでございます」
それだけ告げると従者は静かに去って行った。
「シュイ・シャンラン、到着致しました」
扉が開かれた。

43 ::2007/01/08(月) 02:04:48 ID:???
外の光が入り込む隙間はない。
が、百八本の太い蝋燭が中を照らす。
ドーム型の屋根を見上げると、やはり南斗十字星の紋章。
左右には闘神像の列。さらに進むと、十二の座が半円形に並ぶ。
南斗宗家の最高権力者たち。
先代の六聖拳の拳士も幾人かいるが、大部分は純粋に宗家の高僧である。
高僧たちの前、片膝を着いて座す男が二人。
翔鷹拳正統継承者、そして古い友でもあるシェンライ。
その後方には弟子のリンジェン。冷たい目が印象に強い。
シュイもシェンライの左隣に片膝を着いて座った。
少しの沈黙の後、高僧たちの一人が口を開いた。
「ではシェンライ、話すがいい」
いきなり要件というわけである。
「はい」
シェンライは立ち上がり話し始めた。
「ウェイユェンの部隊が何者かの襲撃を受け全滅。
ともにいたグワン将軍も殺害されました」

44 ::2007/01/08(月) 02:45:42 ID:???
ウェイユェンは南斗双極刃の達人。
グワン将軍は天帝軍の将軍の一人、剣術の達人でもある。
西方支城から天帝の居城への移動の途中を狙われたらしい。
当然、軍全体の移動ではない。
だが、わずか五十人足らずというのは安定した政情に油断したのか?
いや、それでもウェイユェンがいた。さらに十人の南斗の衛士が警護を勤め、
将軍の兵たちもよく訓練されていた熟練兵。
当然、偵察を先行させながらの旅に違いない。
つまり大人数による襲撃ではない。
到着せぬ将軍たち。
シェンライは様子を見に行くように天帝の重臣に依頼されたという。
そして…

夜営の最中に襲われたようだという。
シェンライは続けた。
「形跡から見て少人数による暗殺、
そして彼らの遺体を確認したところ…
奇妙な共通点がありました」
静寂というより、濃密な沈黙。
五十人全ての暗殺、しかもウェイユェンがいて…

45 ::2007/01/08(月) 03:08:11 ID:???
「彼らは刀剣により殺害されたわけでなく、毒殺でもなく…」
「…」
「…はっきり申し上げます。北斗の拳によるものと考えます」
ついに高僧たちの沈黙は破られた。
「ばかな!」
「なぜ北斗が!?」
シェンライはさらに付け足した。
「ウェイユェンと幾人かは異変に気が付き、
その者と戦った跡がありました」
その者…既にシェンライは単独による襲撃と確信している。
「しかしながら、ウェイユェンの双極刀および
他の者たちの剣、槍が曲げられて、折られていました」
戦闘の最中、実力差があったにしても、わざわざ刀剣を奪い取り、
曲げ折るようなことはしない。
高僧の一人が言う。
「操気術やも知れぬ」
事実とすればり、それほどの操気術…
べつの高僧の一人が苦い顔で呟くように言った。
「北斗孫家門」

46 :10:2007/01/08(月) 03:42:37 ID:???
「シェンライ、ご苦労。下がるがよい」
シェンライは一礼をすると弟子と共に出て行った。
「それでシュイよ」
この高僧、宗家の最高権力者の中の最高権力者、
南天聖座主が彼に語りかけた。
この長老だけは既にことの経緯を知っていたのだ。
天下全土に散らばる"草"たち。
細かいことまで、数多の情報は"聞こえる"わけか。
かなりの高齢なのだが、さすがに宗家の盟主。
「北斗が絡むとなると、ことは単純ではない。
だが六聖には天帝の警護がある。
シェンライも六聖と共に門を守護する大役がある」
六門…六(五)聖と残り一門は五聖に次ぐ南斗の実力者たちが衛る。
シェンライは今回の件を踏まえ、最後の門の警護をさらに強固なものにする。
「今、お前は下で拳の基礎を教えているだけであろう。
だがお前自身の拳力に疑いはない。洞察力もな。
ことを大きくしたくない。
独自に調査するのだ」

"草"たちでも掴めない情報…
すなわち"草"たちが入り込めない場所。
北斗宗家、そして北斗三家門…
久しぶりにイヤな汗が背を伝った。

47 :マロン名無しさん:2007/01/11(木) 02:30:50 ID:???
シュイが外に出るとシェンライとその弟子リンジェンがいた。
ここで話し込むのは良いことではない。
門を出、山を下りながらシュイとシェンライは話し始めた。

「それに、あからさますぎる」
シェンライが渋い顔で言う。
「確かに」
内部から破裂したような死体…北斗の拳以外ありえない。
北斗だとわざと伝えているようなもの。
かと言って別の何者かが北斗の仕業に見せかけているわけではない。
誰にこんな真似ができるか。
「この件を調べろと言ってもな…どうする気だ?シュイ」
実力があり、しかし正統継承者ではない。
現在の役割はただの基礎体術の師範。
ある過去の依頼、成功であったが宗家の真の意向にそわなかった。
そのため彼には大きな役目が与えられていない。
万が一があっても上に影響は少ない。
いわば最適な人物。
「この件を北斗が知らないはずはない」
「…」
「場合によっては直接会わなければならないかも知れん」
「お前、まさか」
「しかたあるまい」

48 :マロン名無しさん:2007/01/11(木) 03:01:46 ID:???
今回の件は当然、天帝の居城でも騒ぎになっていよう。
五聖たちと北斗神拳伝承者に問題が起きなければいいが。
さらに天帝のそばには常に元斗も控えている。
南斗北斗元斗、乱れれば天下に大きな悪影響がある。
悪影響…そんな生易しい言葉では済むまい。
そのまま朝を迎えた。
従者がシュイの寝室を訪れ
「シュイ様、また上の遣いの方がお見えに」

再び南斗の長老たちの前

「意外な展開があった」
「はい」
「今回の件、北斗宗家も調査を開始している」
「はい」
ことの経緯がいくつか語られた。
「それでお前と会いたいそうだ」
「むしろ私も、そうお願いしたかったところです」
初めて会うことになる。
北斗神拳伝承者。

49 :イフ:2007/01/14(日) 23:57:30 ID:???
「たしかぁ、この辺の筈だ。よし、おめえら!はじめろ!」
ショートモヒカンたちが砂地の中を懸命に探し始めた。
そして一時間ほどして…
「ありやした!ありやしたぜぇ!」
それを聞くと黒い禍々しいヘルメットをかぶった男は
「どれ」
とだけ言い、そこにガシャガシャと金属音をだしながら歩いて行った。
鎖やら金属製のレガースやら、そして腰に差してある小型のショットガン。
無駄のない完全に鍛え上げられた身体。
「おぉ、これだよ」
そこには砂に埋もれた鉄製の扉がある。
ジャギは力任せに扉の鍵を引きちぎった。
ショートモヒカンたちは、もうこのくらいでは驚かない。
「おいおめえ!」
「へい」
「よく見つけたな、今度北斗神拳、少し教えてやるよ」
「ま、まじすか!?あざあす」
そして上に向いた扉を開けるとジャギは地下に降りて行く。
「やりやしたね、アニキ」
「おう!俺も北斗神拳遣いだぜ!」
よく晴れたいい天気だった。

50 :イフ:2007/01/15(月) 00:17:58 ID:???
ここはジャギが旧世界時代に利用していた武器庫。
だが砂、何より水が入り込んだ跡がある。
「チッ、洪水があったからな」
しかし天変地異があってからのこの"新"世界、この辺りは雨も降らない。
残念なことにほとんど使い物にならない。
だが、肝心のものはあった。
AK47、どういうわけか、これだけはちゃんとグリース塗って袋に密閉しておいた。
「へへ、これがありゃあ俺の北斗神拳は無敵だぜ
なんてったって俺様は北斗神拳真の伝承者だからよ」
階段を登り外に出る。太陽がまぶしい。
「アニー!いい仕事だったぜ」
アニキと呼ばれていたからアニー、ジャギはアニーの頭を掴んであやすように揺らした。
弾はすぐ無くなっちまう。だが俺は北斗神拳伝承者。
このマシンガンは奴に使えばいい。
北斗神拳伝承者がマシンガンを操る…奴の苦しむ顔が見えるぜ。
チッ、奴のことを思い出すと顔が痛む。
必ずこの手でぶっ殺したらぁ!
「フフハハハー!」
ヘルメットの下に見える狂気のまなざし。

51 :イフ:2007/01/15(月) 00:53:39 ID:???
とある街、清潔な水源を有する活気のある街。
農業も盛んで食料も比較的豊富。
行き交う人々の表情も新世界にしては悪くない。
人の出入りも自由。
「こんな街があったとはな」
門兵はガラが悪かったが雰囲気のいい街だ。
「ハートシティか」
キングと言えば凶悪な殺戮集団。
だがこの街を委任されたハートという男はいわゆる「気は優しくて力持ち」らしい。
「奇跡的だな」
行方知らずの妹アイリを探し出すこと、両親や友人たち村人の仇を打つこと。
だがこの活気のある街に来てレイの餓狼の如き目付きも和らぐ。
バーのカウンターに座り
「人を探してるん…」
「ここに来るやつぁみんな同じこと言う」
レイの言葉を遮るようにバーテンダーは言った。
「食料ねえか、誰それをしらねえか、女買えるところはねえか、銃はねえか、エ〜トセ〜トラ〜」
「フッ」
「おっ、フッてか、フッてか。かっこいいねぇ、あんた
でどんな女探してんだ?こんな時代だ、一食で買えるぜ」
「いや、顔を包帯でグルグル巻いた、胸から腹にかけて北斗七星の形に傷がある男だ」
「!!」
「知ってるのか!?」
思わず立ち上がるレイ。
「食料三日分でどうだ?」
「ホントに知ってるんだな、嘘なら…」
突然殺気立った男にバーテンはたじろいだが、
「こちとら信用第一だ。嘘はつかねえ」
「よし、いいだろう。また後で来る」
レイは街を出た。
また女装か…

52 :マロン名無しさん:2007/01/15(月) 17:36:21 ID:???
次の日、レイは同じバーテンの前に現れた。
「三日分だ」
バーテンは中を確かめた。一日でどうやって?だが食いもんは食いもんだ。
「ちょっと裏まで来てくれないか?聞かれたくねえ話なんでな」
もう一人のバーテンに一言告げてレイと共に裏に回った。
「いいかい、あんたがあの男を探してる理由は聞かねえが
絶対に俺から聞いたなんて…」
「そいつはどこに居るんだ?」
バーテンは震えそうになった。時代が時代でもこんな目の奴は見たことない。

「わかった」
聞き出すのにわざわざ食料三日分集めてやった。
襲ったのはキングの略奪隊。
力ずくでバーテンを吐かせても良かったが、まだレイの中には義の宿星が生きていた。
それにしても、こうも早く情報が得られるとは。

そう遠い所ではない。規模も大きいものではない。
数日中に見つけ出せるだろう。
「ケンシロウ」

53 :マロン名無しさん:2007/01/15(月) 18:02:15 ID:???
キング、拳王、聖帝の三大勢力。
この村は今のところどの勢力にも侵されていない。
だが平和は昨日までのものだった。
村人全てが集められてのショータイム。
頭だけ出して、あとは縦穴に埋められた村人たち。
無惨な多数の…
「なに〜?おめえもわかんねえ?そうか…じゃあノコひいとけ」
「な、なんでこんなことを。私たちは静かに平和に暮らしてたんですよ?」
「ほう?そいつは立派だ。じゃあ特別に二人やらせたる」
「そ、そんな!できませんよ!」
「ふう、できねえか…じゃあお前も死んどくか?あ?」
「待て!俺が代わりにやろう」
長身をローブでまとったレイが広場中央に歩み出た。
レイは今この村にたどり着いたばかり。
門の見張りがスライスされてることを知る者はいない。
七つ傷の胸像。
「いいぜ。だがとりあえず聞いとかねえとな。
このお方の名前を言ってみ、ぽ?」
「ケンシロウだろ?」
何かが自分の中を通り過ぎた。直後に鋭い痛み。それがこのショートモヒの最後の記憶。
クールに押さえ付けていた怒りが今、開放される。

54 :マロン名無しさん:2007/01/15(月) 18:18:46 ID:???
ショートモヒたちには逃げる間もなかった。
村人たちも半狂乱。目前でなされた南斗水鳥拳の処刑は凄惨すぎた。
残した最後のショートモヒに聞く。
「ケンシロウはどこにいる」
「あう、ああ、あの」
「おい、素直に言えば生かしといてやるぞ」
隠してるのではなく、恐怖で言葉が出ないショートモヒ。

「そうか、わかった。安心しろ。約束は守る」
しかしレイはそのショートモヒに鋭い突きを放つ。
ショートモヒは手足の自由を奪われ這いつくばった。
「命は奪わない。ここの村人にまかす。
お前の行ないが良かったなら助けてもらえるだろう」
「ええ!?そんな、ちょっと、ちょっと待って〜」



「あれか、ケンシロウの本拠地」
いくつかビルの並ぶ街。このどこかにケンシロウがいる。

55 :イフ:2007/01/15(月) 18:53:24 ID:???
砂煙を上げるバイク。
ショートモヒたちを引き連れてジャギがアジトに戻った。
今日はいつもより顔が痛む。だから沢山殺してやった。
もちろんケンシロウの名で。
「ん?」
「な、なんだこりゃあ!ジャギ様!こりゃあ一体…」
衛兵ショートモヒたちがスライスされている。
街に入ると更にひどい有様。カラスが肉をつついている。
「こいつぁ南斗聖拳だな。六星クラスの」
あまりに鋭い切り口。こんなのは南斗以外ありえない。
「ジャギ様!女たちが逃がされてますぜ!!」
「馬鹿野郎!!女なんざまた取っ捕まえりゃいいんだろうが!」
ジャギはそのショートモヒを殴り倒した。八つ当たりである。
ジャギに殴られた!
頭部に電気が走るような感覚、そして激しい痛み。そのショートモヒの最後の記憶だった。
「てめえら!!探し出せ!!」
ジャギはショットガンに手を掛けたまま自分のネグラに向かった。
この街で一番高い、十階建ての最上階がジャギのネグラ。
椅子だけは職人に丁寧に作らせた。玉座みたいに。
そこに見しらぬ男が足を組んで座っている。
「へっ、やっぱり北斗神拳伝承者ってなあ、面倒だなぁ。南斗のお客様とはよ」
「てめえがケンシロウか?」
上半身には刺の付いた皮のベストしか身に着けていないジャギ。
その胸には確かに七つの傷がある。
「一応確認したい。新世界になって間もない頃、
てめえはある村を襲いアイリという女をさらっているな」
「知らねえな」

56 :イフ:2007/01/15(月) 19:18:14 ID:???
「いいか南斗さんよ、いくつの村ぁ襲っただなんか覚えちゃいねえよ。
そうだろ?お前さんもその目付きだ。しかも南斗聖拳だろ?やりたい放題じゃねえか!
今は誰の時代だ?誰が笑ってるよ?それは俺たち、悪魔だろうが!」
「お前、本当に北斗神拳伝承者なのか?
俺たち南斗に匹敵する唯一の勢力、その伝承者がこんな男なのか?下衆野郎」
「下衆野郎?そりゃあねえぜ南斗さんよ。あんたも同類じゃねえか。
なんだよあの死体の数々。みんな俺のかわいい弟たち、いや部下たちだぜ?」
かわいい弟…いやな言葉を遣っちまった。
「もう一度だけ聞く。アイリという女を知らないのか?」
「……知ってるぜ」
レイが殺気に燃える。
「あいつぁ上玉だったな。毎晩可愛がってやったぜ。
心は拒否してんのに身体はよう。北斗神拳はすげえんだよ、あっちの方もよ」
「貴様!!」
襲いかかろうとしたレイだがジャギは素早くショットガンを構えた。
「北斗神拳伝承者が使うショットガンだ。わかるよなぁ?」
「屑野郎!」
「まあ、そう言うなや。俺と戦りあいてえんだろ?
付いて来いよ。ここは俺の"お気に"の部屋なんだよ。
まあ、俺とやりたくても尻は貸せねえがなあ!ダッハッハッハッハ」

57 :イフ:2007/01/15(月) 20:33:22 ID:???
同じビルの屋上への階段を登るジャギ。
スキだらけの背中だがレイが背後から襲うことはない。
ジャギの方もスキだらけに見えて実はそうではない。
突然の襲撃に備えギリギリの間合いを保っている。
それに背後から襲うような奴でもなさそうだ。
そして屋上で向かい合う二人。ジャギはショットガンを構えたままだ。
レイの、南斗の拳士の動きなら銃を持つ相手にも対応できる。
だが、その相手が北斗神拳の遣い手では…
弾丸より早く動けるわけではない。
だが撃つ瞬間に、賭けとなるが、飛び掛かるしかない。
まさに賭け、勝ち目は少ない…
「安心しな。こんなものは使わねえよ」
ジャギはショットガンをホルダーに収めた。
「南斗さんよ、北斗神拳の怖さ、思い知れや」
「ヘルメットは脱がないのか?そんな顔に自信がないか?」
「うるせえ!!顔のことに触れんじゃねえ!!
ダボが!!引き裂いてやらア!!」
「大した自信だが、楽には死なせんぞ」
レイは確信した。この男は正当伝承者ではない。
こんな下衆が伝承者になれる筈は、ない!
「ほざけ!行くぞ!北斗羅漢撃!!」
ジャギが速い突きでレイに襲いかかる、が、
この連突きは虚、スキを見つけ実の拳を放つ。
レイは虚の拳を全て流している。そして実の拳!
だがレイはそれを見切り、手刀ではなく握った左拳で
ジャギの頭部にフック状の打撃をくわえ、
さらに右肘で追い討ちをかけた。
ヘルメットは粉々になりジャギは吹き飛んだ。

58 :イフ:2007/01/15(月) 22:28:35 ID:???
「ぐわ!!」
吹き飛び欄干にぶつかるジャギ。
「なるほど、その顔じゃな」
レイはわざと顔をしかめて汚いものを見る目をした。
「はっ」
衝撃で意識がトんでいたジャギはヘルメットが砕かれ、顔が晒されたことにやっと気付いた。
「ぐっ…この…この顔を見た奴あ、生かしておかねえ!!
お前は強えが、こいつぁどうだ!?」
ショットガンを抜き、レイに向け、距離を詰めた。
「やめとけ。さっきの一瞬でその銃を切り付けてある。
暴発するぞ。そんなんで死んでもらっては困る。
アイリの生死、行方を聞きたいしな」
ジャギは銃を確かめた。まるで問題はないようだ。
「!!」
レイの握った拳がジャギの顔面を強打した。
同時に銃を叩きジャギから奪う。

握った拳でもレイが殺気を込めればマグナムのようにジャギの頭を消し飛ばす。
あえてそうしない。これはレイの残酷な処刑。
「おい偽伝承者!アイリはどこだ!」
「に、偽伝承者?」
「お前みたいな男が伝承できるわけはないな。
おおかた伝承者になれなかったことを逆恨みしてるだけだろう。
ケンシロウってのも偽名だな?本当の伝承者の名前か?」

59 :イフ:2007/01/15(月) 23:05:08 ID:???
奪った銃を後方に投げ捨てレイは、
「偽者にしろよくそれで北斗神拳伝承者を名乗ったもんだ。
本当に修行を完遂したのか?
その辺の雑魚ならともかく俺の相手には不足すぎる」
「てめえも俺を見下すのか。その目、奴と同じだ!
ケンシロウとなあ!あいつぁいつもそうだった!
いつも澄ました顔で俺を見下してやがった。
兄さん、大丈夫かい?兄さん、それは違うよ。兄さん、北斗神拳は武器なんか不要だよ。
ジャギ兄さん、トキ兄さんの拳"は"優雅華麗だと思わないか?
兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん!!
俺だ!!誰よりこの俺がケンシロウを大切な弟として愛してたんだ!!
なのにやつぁよ!お互い腹減ってたときにゃあ俺が空腹我慢してゆずってやったあ!
修行でぶっ倒れたあいつを背負って、て、手当てしてやった!
あいつにはいろんなことを教えてやったんだあ!
バイクに乗せて海沿いの道を吹っ飛ばした!
そ、それに拳だって俺が教えてやってたんだ!!
なのに奴は俺に気遣って出来ねえフリしてたんだとよ!
ふざけんな!!ケンシロウなんか俺がいなけりゃとっくに北斗の厳しい修行でおっ死んでたんだあ!」
「ビルの屋上で大声出すな、苦情が来るぞ。…そのケンシロウというのは随分と優しい、
いや、甘い男だな。お前をたててわざと下手に出ていたんだろうよ。
だがお前より、ずっとよく出来た弟みたいだな、ジャギ兄さん」
「!!よよよ、よく出来た弟?よく出来た弟お!
兄より優れた弟なぞ存在しねええ!!!!!!」
「!?」
なんだ?空気が歪んでいる?

60 :マロン名無しさん:2007/01/16(火) 08:14:09 ID:???
本編でもケンがジャギを倒すとき、レイやアイリの名前がでなくて
笑った記憶があるな
GJです。

61 :イフ:2007/01/16(火) 20:27:57 ID:???
気のせいか?いや、確かに空気が歪んだ。
空気というか…まるで空間が…
眩暈がしたわけではない。何かガスか?
この風通りの良い場所でそれも考えにくい。
「ぐそお!顔が痛え!おい南斗!!分かるかこの痛みがよ!!
いつもずっとだ!!常に痛えんだよ!!ケンシロウはなあ!
恩義ある兄をこんな顔にした極悪なクソ汚ねえ伝承者だ!!」
レイは異様な何かを感じていたが返した。
「その顔は貴様には丁度いい。だがな、貴様が殺してきた人々はもっと苦しみ、
そしてもっと醜く死んで行ったんだ。
出来損ないの兄を持った伝承者に代わり、貴様を処刑する」
アイリの安否はショートモヒたちに吐かせればいい。
嫌な予感がする。レイは決着をつけるべく間合いを詰めた。

62 :イフ:2007/01/16(火) 20:49:11 ID:???
今度は殺気を込めている。怨みと怒りを拳に込めている。
瞬間!
レイは弾かれるように後退した。ブーツの裏が擦れる。
「出来損ないの兄、だあぁ?俺ょりあのケンシロウのが優れてるっつうのかぁ?」
ジャギの周りにまるでバリアのような何かが、ある!
まさか…北斗神拳の真髄は極限の怒りと聞く。
「兄より優れた弟なんかなあ!!!!俺より優れた奴なんざなあ!!!!
俺がぶち殺したるぁ!!!!!!!!」
地獄の底から聞こえるかのような怨念の叫び。
ケンシロウだけでなく、他の全ての者、自分さえも否定し、そして呪うかのような暗黒の叫び。
レイは肌が粟だった。
その時、ジャギの全身から赤黒い煙のようなものが溢れ出した。
特別な目を持たずとも誰でも見える、強烈な何か。
それは目から口から止めどなく吹き出す。
レイは己の油断を恥じ、そして後悔した。
レイもジャギ本人も知る術はないが、まさしくそれは……
北斗琉拳で言うところの魔闘気であった。

63 :イフ アニー:2007/01/16(火) 22:34:43 ID:???
アニーはジャギとレイが戦うビルの屋上へ向かっていた。AK47を持って。
ジャギ様は無敵だ、だが、あのスライスされた連中…万が一がある。
一階から屋上まで、当然エレベーターなんか動いていない。
だからアニーは息切れしながらも階段を急ぐ。
"得点稼ぎ"がしたいわけではない。
アニーはジャギに憧れ、そして慕っていた。
屋上に近付くに連れ嫌な圧迫感が強くなる。
呼吸がしずらい。階段を上がって来たせいではないと思うが…
やっと屋上に達しドアを開けると、それは不気味な光景だった。
ジャギ様がなんか大変なことになってる。
本能的な恐怖を感じながらもアニーは声をしぼり出した。
「ジャギ様!マシンガン持ってきゃあした!」
振り返るジャギ。初めて素顔を見た。
元々グロテスクな顔に加え魔闘気。
「ひゃわわわ」
「アニー、ありがとよ。そこに置いとけ。
あとなぁ、この顔見た奴は…」
もはやアニーは声を出すことも出来ない。
「生かしておかねえ!!」
悪魔のような形相のジャギが襲いかかって来た。

64 :イフ アニー:2007/01/16(火) 23:04:31 ID:???
俺の名前?だからアニーだって。
そんなん知るかよ。顔も覚えてねえオヤが勝手につけた名前なんかじゃなくよ、
ジャギ様が呼んだアニーがホントの名前なんだよ。

お?だろ?このショートモヒカンはジャギ様の部下の証しだよ。
毎日ちゃんと剃り上げてるぜ。これはルールなんでな。

あ?そりゃあ、おめえ…わかんねえもんかな?アンタみたいなタイプにはよ。
ジャギ様はよ、ワルが憧れるワルなんだよ。
何でもやりたい放題で欲望傾くままってやつよ。赴くだっけか?まいいや。
こないだなんかよ、ある村が野党に襲われてたんだよ。したら、
「お前らは後から来い」なんつって一人でバイク吹かして行っちまうのよ。
で、遅れて村ぁ着いたら野党供全滅お疲れさんでよ、
ジャギ様が感謝されてんのな?そしたら突然だよ。おもいっくそぶん殴って言ったんだよ。
「勘違いすんな、この村は俺のもんだ」
俺しびれてチビっちまったよ。あ、チビったったつうのは嘘な。
まだまだあるぜ。ある街襲った後よ、ジャギ様が便所入ってな?、んでよ、呼ぶんだよ、俺を。
「どうしたんすか?」
「おお、アニー、紙ぃねえか?」
「紙…っすか。ティッシュとか……ないっす。すぐ探してきやす」
「バカヤロ!金庫の中に紙幣やら証券やらあんだろ!それよこせ!」
なんて言うもんで札束一つ渡したのよ。したら「足りねえよ!!もう百万だ!」とよ。
出て来たら開口一番、「ああ、ケツいてぇ!やっぱ金なんざケツを拭く紙にもなりゃしねえな!?」
で豪快に笑うんだよ。
俺しびれてクソもらしたよ。あ、クソってのは冗談な。

65 :イフ アニー:2007/01/16(火) 23:35:27 ID:???
んでまた、タバコの吸いっぷりが渋ぃんだ、またこれが。
あ?ジャギ様はメットの隙間から器用に吸うんだよ。
まいいや、特にタバコの捨てっぷりだよなあ。
すっげえ美味そうに吸っててよ、「うんめえなぁあ、なあ?アニー」
なんつってたら、いきなりタバコ投げ捨てんの。なんかムカついてるみたいに。
最近マネしてたら、弟分がよ、「あれ?なんかジャギ様みたいっすね」
なんつうからよ。お?分かるか?てなもんよ。悪い気はしねえやなあ。

女もそうだよ。満たされたらタバコと一緒。
なんだテメエは、もう用はねえよ、さっさと消えろ!でもう二度と俺の前に現れんな!
って感じよ。しびれて糞尿タレ流したぜ。あ?そうだよ、タレ流したってのは嘘だよ。チッ。
まいいや。あ?そろそろまとめろ?ったくよ!
まいいや。とにかくよ、並のアクじゃできねえこと何でもやっちまう。
気に入った女ぁいたらヤっちまう。気に入らねえヤローいたらヤっちまう。
ワル気取ってる俺もなかなかできねえよ。だいいちジャギ様みてえに強くねえしな。
まそういう、普通できねえことをいとも簡単やっちまう。
「そこにしびれるあこがれるう!」ってやつよ。
え?この名ゼリフ知らねえの?もしかしてアンタゆとり教育世代?まいいや。

あとなぁ、ジャギ様いつも顔がいてえから険しい目ぇしてんがよ、
たまにすげえ優しい目ぇすんのよ。俺はずっとついてくぜ。

まあよう、今は「ジャギ様」なんて呼んでんだけどよ、いつか「ジャギ兄貴」
つうか「ジャギ兄」って呼びてえんだよ。
あ、最後の部分オフレコな。

66 :イフ アニー:2007/01/16(火) 23:42:45 ID:???
死の間際の夢。
アニーは現実に帰った。とは言え本人にその違いはもうわからない。
ただ横たわり天を見上げるのみ。
痛みは感じないがアニーの身体はジャギに引き裂かれている。


どこまでも高く高く澄んだ空。ポッカリと雲一つ。
深い深い青の空。
アニーはさらにこの空の上にもっと深い、もっと青い…蒼天が広がっている気がした。

67 :マロン名無しさん:2007/01/17(水) 02:05:50 ID:id2QQeLA
GJ!GJ!GJ!最高!

68 :マロン名無しさん:2007/01/18(木) 22:31:26 ID:Gc8YOl/r
アニー あげ

69 :マロン名無しさん:2007/01/20(土) 13:40:26 ID:???
力がみなぎる。だが顔は痛む。
気持ちは高揚している。だが憎しみは燃え上がる。
これだけは実感している。
「最高の力だぜ」
飛ぼうと思えば飛べそうな気がするほどだ。
さて、あの南斗の男を始末するか。
レイは全身に嫌な汗が流れている。
悪魔があの男に降りたとしか言えない。
やるしかない。もはや勝つ見込みはほとんどない。
気力、体力、全てを攻撃のみに集中させる。
鳥のように両手を広げた。鋭い刃となった闘気がコンクリートを裂く。
「ぬおおお!!」
「あ?何する気だ?」
「南斗究極奥義!!」
跳び上がるレイ、全身を強力な闘気の刃が包み込む。
「断己相殺拳!!」

70 :イフ:2007/01/20(土) 14:09:51 ID:???
南斗五聖拳にのみ伝わる玉砕覚悟の絶対破壊の大技。
ジャギ、この魔人をそのままに逃げることはできない。
南斗の将の一人として、義星の宿命を持つ者として。
しかし…レイは間違っていた。この奥義の使いどころを。
南斗の究極は「命の見切り」、レイはジャギとの死点を見誤った。
レイの義星ゆえの行動だが、結局は焦りにすぎない。
まだ高く頭上を飛ぶレイを迎え撃つだけでいい。
とは言えこのまま"当たれ"ばまさに相殺だ。
まあ、ただ着地ポイントをそれれば良いだけだが。

ジャギにはできそうな気がした。
空中のレイをこのわき出る自分の力で制することを。
両手を空中のレイに向け、
「だうりゃあ!!」
レイは空中で静止、歪む空間。
「な?」
「ドゥワッハハハ!!俺ぁ無敵だな、ごりゃあよ」
そしてレイをコンクリートの地面に叩き付けた!
かつてない衝撃はエクストリーム。
レイは動くこともできない。
「へへ、どうだい?南斗ざんよ?おっど、なばえをまだぎいでなかっだなぁ?
あ?ははっ、もうじゃべれねえが?」
深刻なダメージ、ジャギの魔闘気に圧倒され呼吸もつらい。ぜえぜえ…

71 :イフ:2007/01/20(土) 14:24:01 ID:???
「俺ぁぎめたぜぇ南斗ざんよ。ごれから出会う全てのヤローどもをよ、
その顔をよ、ぼろタコにじでやんのよぅ。
そうすりゃ俺が一番いいおどごってなりゃあな!」
「…」動けない。
「安心しなあ。テメエはこのまま殺してやるぜぇ」
絶対的優位に立ったせいかジャギも落ち着いて来た。
魔闘気が終息しつつある。狙うならここ。
しかしジャギもレイ本人も知っている。反撃など不可能。
「南斗さんよ、おめえには、」
ジャギはショットガンを拾った。
「こいつで死んでもらうぜ。拳の戦いで死ぬんじゃねえ。
ただの狩りだよ。虫けらのように逝けや。
頭ぁ吹き飛ばしてなあ!だっはははは、はははあ!」
また一瞬、赤黒い気が吹き出た。
ジャギは銃の引き金を弾いた。

72 :イフ:2007/01/20(土) 14:49:18 ID:???
レイはこの点に関しては用心深く行動していた。
ショットガンを切り付けていたのは事実。
ジャギから奪ってわざと自分の後方に捨てたのもトリック。
レイの斬撃は目で確認できないくらいの鋭さで銃身に切れ目を付けていた。
暴発、ジャギの右手は吹き飛び、顔には破片が突き刺さっていた。
「か、か、か」
ふらふらとジャギは彷徨うように歩き出した。
まともに意識はない。
やがて欄干によりかかる。
幻を見た。ジャギもケンシロウもまだまだ若い修行時代。
俺は誰よりも弟を愛してたんだ…ケンシロウ…
世間知らずのお前を見てると自分が必要とされてるような、
自分がなんか役に立てるような、何かを与えられるような、
そんな気がしたんだ。
みんなから恐れられて、ついてくんのは、クズみてえな奴ばかり。
いつか俺も心をかたくなにしてたんだな。
でもよ、ケンシロウ…
お前の屈託のない笑顔が何度も北斗から挫折しそうになった俺を救ってくれてたんだ。
お前は知らないだろうけどな。
蔑む師父、高圧的なラオウ、優等生で何も分かち合えないトキ。
すぐにらむシン、表面優しくても実は俺を忌み嫌ってたユリア。
でもお前だけは真っ直ぐ俺を見てくれてたな。
懐かしいな…

73 :イフ:2007/01/20(土) 15:05:45 ID:???
幻が黒い何かに浸食されはじめた。
"死"
ジャギは知った。
レイから見ているジャギはただ欄干によりかかり、
ラリっているかのような姿だけ。

そうか、もう終わりか…
くやしいな、まじめに北斗神拳に打ち込んでたときもあったんだがな。
どこで狂ったんだろ…
ケンシロウが俺の死を知っても、悲しまねえよな。
「銃の暴発、奴には相応しい死に方だ」くらい言うだろうな。
あいつ、きついこと言うからな。

膝が落ち、しゃがみこむような形になった。

このまま極悪人で死ぬのか…なんか、くやしいな。
なんか寒いな、怖いな、黒いな、さびしいな、…寒いなあ。
ん?暖かいもの一つ。
「バカやろ、それじゃ魚が逃げちまうだろ?こうやんだよ」
「うわぁ、すごいよ!ジャギ兄さん」
「おいおい、このくらいすぐにできるって」

ジャギは最期、笑顔だった。
しかし銃の破片が突き刺さったままの血だらけの顔、
レイがそれに気付くことはなかった。


74 :マロン名無しさん:2007/01/20(土) 17:33:54 ID:???
全モヒカンが泣いた

75 :パラレる:2007/01/21(日) 23:39:39 ID:???
「キング様」
モヒではなく、軍師の初老の男。
「どうした?」
「拳王軍がついにウェストタウンを突破しました…いかがなさいますか?」
ウェストタウンはこのサザンクロスから西に30Kmほどしかない。
「防備を固めろ」
「…は、はい」
そのくらいしか言うことはない。ただユリアのために、それだけのために作った組織、街。
統制のとれた"軍"に太刀打ちはできない。
「キング」
「…」
「迎え討っては…?」
「ここにはユリアがいる。ユリアを守るのは俺の役目だ」
「キング…」
「ユリアも、このサザンクロスも、このシンが守り抜く!」
「キング…」
「なんだ!?」
「ユ、ユリア様は……既にお亡くなり…に」
ユリアは静かに女王の座から夕陽を見ている。
「貴様、俺をなぶるか?」
「;…キング…」
「ならば!あそこにいる女は誰だと言うんだ!」
シンはユリアの座に寄ると"ユリア"を見つめた。
「キング…」

そう、ユリアは、このサザンクロスが出来上がった時に…
シンにとってはユリアが全て。その思いが瓦解したとき、
シンの中の何もかもが崩壊した。
「こ、これは一体?」
「キング…」
「どこだ!ユリアはどこへ行った!!」
このやりとりを遠くから見ていた漢がいた。

76 :パラレる:2007/01/22(月) 00:07:28 ID:???
キング四天王の一人にして副将、ハートであった。
「キング…」
今のキングでは拳王軍に勝つことができるだろうか?
キングは感情でその強さが大きく変わる。
拳王…世紀末覇者を名乗る暴君。拳王本人も圧倒的な強さと聞く。
「あのお方を守らねば…キング、あなたにお仕えしたこと…私の誇りです」

次の日、早朝
「ハート様、準備整いました!」
「そうか、では行くとするか」いつものように穏やか。
そして左の額にハートマークがある男たち。ハート軍の中でも腕利きのモヒ、何より熱い魂がある。
わずか30人ほどで死地に赴く戦士たち…
キングの元で、このハート様の元で俺たちは好き放題やった。
どっかで野垂れ死にするのがいいところだった俺たち。
最期は華々しく散る。男たちは不思議なくらい晴れやかな顔であった。

77 :パラレる:2007/01/22(月) 19:29:35 ID:???
この谷間の道、サザンクロスに向かうなら拳王軍は必ずここを通る。
戦うならここ。それがハートの狙いだった。
偵察隊もいないようである。地平線の彼方、ついに現れた拳王軍。
近付くに連れその規模に驚く。この時代にこれほどの人数の行軍を可能にするとは。
そして先頭の拳王であろう男。巨大と言える黒馬にまたがる黒ずくめの大男。
さらにその左側には白馬に乗った精悍な銀髪の男、
右側には古代ローマのグラディエイターのような姿をした巨大な男が。
拳王軍が谷間の狭い道に入った。
「それでは行くか」珍しく険しい顔のハート。だが身体はものすごい。
途中のオアシスで水をひたすら飲んで飲んで飲んだ。
特異体質のハートは吸収した水分でさらに大型化していた。もはや1.5tほどある勢い。
隠れていた岩陰から一斉に飛び出すハートたち。突然のことに拳王軍は混乱した。
しかしウイグルが一喝、陣形を整えている。拳王軍は皆、剣と盾を備え、鎧兜も統一されている。
「ハート様、今日まで楽しかったですよ」
「奴等に目にもの見させてやりましょう」
「あの世で会おうや」「地獄でか?」
漢たちの間には笑いさえ起きた。
そのような部下たちを見てハートは満足げに、誇らしげに何度もうなづいた。
「今です!行きますよ!」

78 :パラレる:2007/01/22(月) 19:53:02 ID:???
「ヒャッハー!」「ホホー!」「ヒャッホー!」
バギーに乗り、斧あるいは槍を構えモヒたちは突撃して行く。
拳王ラオウは手で「行け」の合図、拳王軍も突撃。
ハート軍は少ないながらもバギーで拳王兵をなぎ飛ばし、踏みつぶす。
拳王軍も数にものを言わせバギーの動きを封じる。大混乱。
後方に残るハートとモヒのリメン二人。
「ではやりますよ、ハート様」
「ん、やってくれリメン」
「ハート様…さらばです!」
リメンはハートの手にナイフで切り傷を付けた。自分の傷を見たハートは、
「血、血…いてえよ…いてえよお!!」
ハートの巨大な手はリメンを叩き殺した。
精鋭でも数で圧倒されるハートモヒたち、もはや10人もいない。
「おお!ハート様が…ぐっ!」
拳王兵の剣がモヒを貫く。
キレたハートがあっという間に拳王兵を吹き飛ばしていく。
ハートも剣槍で傷付きながらも矢が刺さろうとも爆進する。
そしてラオウの前まで辿り着いた。ハートの後ろには拳王兵の屍の山。
さすがに激しく息も乱れ、文字通り血だるまなハート。
「はぁはぁ、拳王君、はぁはぁ、私と勝負しなさい」
「拳王様、ここはわたしが」とリュウガだが、
「よい、この拳王自ら相手をしよう」
これほどの勢力差に関わらず命を捨てて挑んで来たハートに、
ラオウも感じるものがあったのだろう。

79 :バラレる:2007/01/23(火) 00:21:24 ID:???
「お待ちください!拳王様!」太い、しゃがれた大声。ウイグルである。
「このような傷だらけの豚を相手にしては拳王様の名がケガれます。
ここは是非ともワタクシめに」
「……いいだろう」
ウイグルも巨体と力を誇る戦士。ラオウもこの勝負に興味を持った。
ウイグルよりもはるかに巨体のハート。鞭では止められない。
いや元より初めからこの技でいくつもりだった。
自分の力を、思いを、敬意を、殺気を、闘気を、魂を、全てを!
「蒙古覇極道!!」
リュウガ「な!?」
ハートにとって350kgの体当たりを凌ぐなど簡単であったが、
驚いたのはウイグルの身体がハートの腹部に飲み込まれたこと!
そのままハートはウイグルを強く強く抱き締める、いや抱き絞める。
ついにウイグルは失神し、ようやくその巨体はハートから解放された。
その身体はハートの血で真っ赤に染まっていた。
「ウイグル…拳王様、やはりここは私に」
「よかろう」
馬から降り、リュウガは血だるまハートに向かい闘気を練る。
「我が流派は泰山流の至宝、天狼拳!」
「いてえよお…お前らを全殺ししなけりゃ治まらん!」
「そうか、なら我が天狼の牙にて死ねい!」

80 :バラレる:2007/01/23(火) 00:57:09 ID:???
リュウガの拳はハートの肉を抉り飛ばし、そして抉り飛ばす。
血と脂と水が吹き出す。だがハートは止まらない。
リュウガは幾度も拳を繰り出すがハートの死を賭した前進、
リュウガの背は岩壁に当たった。
いつの間にかハートの気迫に押されていたのだ。
ハート必殺のビンタ!リュウガは両手でガードしたが背後は岩壁、力が逃げない。
リュウガでなければ割れた風船のようになっていた。
それでもリュウガは戦闘不能に陥った。
しかし…限界。ハートの顔は青ざめ、その巨体がふらついている。
「名を聞いておこう」
「ぐ、ぐふふふ、ハ、ハートだ」
「ハート、うぬとその部下たちの戦いぶり、この拳王の脳裏に刻まれたわ」
「ぐ、ぐふふふふ」
笑うとさらに体液がこぼれる。既に一面血の海、悪臭がたちこめる。
「ハート、歴史はこの拳王が造る。その歴史に名を残し、そして死ね」
「わ、わたしの身体は外部からの、はぁはぁ衝撃を柔らかくく吸収する。
け、拳王、はぁはぁ、あなたの拳など、はぁはぁ」
その肉もリュウガに抉り取られたがまだ生半可な拳では通じない。
「見事だ、ハート」
ラオウは黒王から降りた。
「最期にこの世の覇者の拳、受けてみよ」
ラオウは右拳に力を込めた。
「ぬうありゃあ!!」
バゴオ!!
その一撃はハートの肉を押し退け、その腹部は大きく窪んだ。
続く二発目。ハートの肉、脂、水、内蔵、骨、全てを後方にぶちまけた。
ハートの腹部に巨大な穴が空き、そしてハートは下に潰れるように崩れた。
「…」
ラオウは部下たちに顔を向け言った。
「ハート、及びその部下の男たち、丁重に葬れい」

81 :パラレる:2007/01/23(火) 22:59:06 ID:???
サザンクロスに動揺が走る。ハートの戦死。
多勢に無勢とは言え、あのハートが敗れた事実はこのサザンクロスが建立されて以来の大事件と言えた。
恐れられてはいたが、彼本来の暖かい人柄はモヒたち、
さらには"家畜"と呼ばれる奴隷労働者にも慕われていた。
だが悲しむ暇などない。既に拳王軍は西の荒野に姿を見せていたからだ。
それに対しキング、つまりシンのアクションは皆無。サザンクロスタウンは恐慌状態に陥りつつあった。
拳王ラオウはあえて一気に攻め込むことはせず、街が恐慌してゆくにまかせた。
もう少しすればキング軍には逃亡者が相次ぎ、無駄に兵力をそぐことなく街は陥落する。
キング組織の版図は現在最大。キングの領地を吸収すれば、拳王軍の規模は
聖帝軍、そして天帝を擁する帝都を超える。
しかし、キングとは実質的に組織でなく、シンそのものを意味する。
軍を壊滅させてもシン一人を残しておいては意味がない。
シン…勝てぬ相手ではない。だがその激情の拳は侮れるものではない。
乱世の覇者とならんとすラオウにとってはリスクが高過ぎた。
いずれ天下をかけての最終決戦、その相手はサウザーと読んでいる。
ここで躓くことはできない。
ラオウとは大剛を信条とする一個の武人であり、同時に優れた策士でもある。
キング軍に紛れ込ませたスパイにより、ユリアが自らの命を絶ったことを知った。
それ自体がラオウ自身にも少なからぬ衝撃を与えたが、
シンには致命的な影響をもたらしていることは間違いようがない。
シンの性格を知るラオウに、この絶対的勝機を見逃す理由はない。
今のシンなら傷一つ負うこともない。油断ではなくラオウの確かな読みだった。

82 :マロン名無しさん:2007/01/24(水) 20:57:21 ID:???
全デブが泣いた
次はシン対ラオウですか?楽しみに待ってます。

83 :マロン名無しさん:2007/01/24(水) 22:18:01 ID:???
どうもですm(_ _)m

84 :パラレる:2007/01/24(水) 22:45:24 ID:???
夜になった。
シンは城の最上階、王の間から夜営する拳王軍を眺めなていた。
自分の歩みを振り返る…良きライバルであったケンシロウへの襲撃とユリア強奪。
そしてただユリアの歓心を得んがための暴力、暴虐、殺戮…
ユリアが何を必要としているかは分かっていた。
だができなかった…ケンシロウと同じものを与えることは。
友であったケンシロウをどこか憎んでいたのも、
自分に欠けていると自覚している優しさ、穏やかさ、温かさを、愛を有していたからだ。
それらはシンが持ち得なかったもの、正確には、
与えられなかったもの、経験しなかったもの。
愛を望みながらも得ることができない。
そんな自分の思いを"弱さ"とすることで否定してきた。
ケンシロウも母の愛を知らない。そして暗殺拳という過酷で汚れた世界の住人。
なのに深い愛を持ち、与えることさえできた。
それはいつしか強烈な劣等感となっていた。
そしてケンシロウは北斗、自分は南斗。対極にいる。
ユリアへの愛で同じやり方を選ぶことはできなかった。どうしてもできなかった。

85 :パラレる:2007/01/24(水) 23:21:38 ID:???
そしてユリア…
あの時、ユリアがここから身を投げたとき、シンはどうしても受け入れることはできなかった。
ユリアの死は極少数の信頼できる側近たちだけにしか知られることはなかった。
余談だが四天王ではハートだけであった。
一般のモヒたちはシンが戦う理由さえ知らない。
側近の一人が告げる。
「ユリア様の御遺体は奇跡的なほど損傷は少なく…」
そして葬儀の日。
白いドレスを着て静かに横たわり両手を腹部の上で組んだユリア。
その身体は微かにも動くことはない。
むせび泣いていたのは侍女たちだけではない。
ユリアの慈しみ深い愛に打たれた側近たちの中にも涙を見せる者がいた。
侍女たちはユリアの顔に掛けられていた白い布を取ると、ユリアの顔を見、そして泣き崩れた。
しかし、シンはどうしてもユリアの顔を見ることができなかった。
葬儀の晩、シンはただ静かに眠りに落ちた。
シンのような男たちに熟睡はないが、その夜だけは異なった。
清々しい朝を迎え、太陽に伸びをし、普段と変わることのない行動を始める。
シンは自分の中にはユリアの死を悲しむ心さえ残っていないのかと思っていた。
しかし、ユリアの墓を見たときだった。シンは急いで自分の個室に戻った。
涙があふれ、あふれ、止まらなかった。
ユリアの死がシンの心に現実として届いた瞬間だった。
やがて彼の繊細な心は崩壊しだした。
心は自己防衛する。
シンの心は完全なる崩壊を防ぐため彼に幻を見せた。
精巧な人形は動くことも話すこともないが、シンは、シンの心はそれをユリア本人と認識した。

86 :パラレる:2007/01/24(水) 23:49:39 ID:???
それ以降もキングの侵略は止むことがなかった。
多くの街を襲い、敵対勢力を滅ぼし、吸収し、
キング組織は一つの国と言えるほどに拡大した。
いずれは一国さえもユリアに与える、その言葉の成就のために…
同時にシン自身が、自分の行動を肯定するために走り続けているかのようであった。
走るのを止めたとき、ユリアの死と果てしない後悔が襲う。
シンは心のどこかで気付いていた。

そして拳王軍が侵攻して来た今このとき、シンは正気に戻った。
ユリアに与えると約束した全てを成し遂げていたからだ。
シンは生きる目的を失っていた。
せめて、友ケンシロウの手で自分の行いを精算したい。
だが叶わないようだ。
仕方あるまい、俺は殺される側、奪われる側の都合を考えたことはない。
拳王と戦う意味は?勝利しても俺は相変わらず狂気の殺人者たちの王。
ユリアのいないサザンクロス…いや、この街はユリアの墓標。

「ふっ…」
シンは自嘲的に笑った。
その姿は"キング"のものではなかった。

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